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石川直樹著「最後の冒険家」を読んで

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熱気球で太平洋を横断する。
そんな無謀とも言える挑戦に関する記録が本書だ。

写真家であり、世界7大陸最高峰登頂の最年少記録を塗り替えるといった偉業を達成している石川直樹氏と、熱気球の北アルプス超え高度記録保持者の神田道夫氏の挑戦に関する本だ。

 

石川直樹氏の文章があっさりしているため、淡々とした調子で神田道夫氏の熱気球の出会い、富士山超えや世界中への遠征、そして2回の太平洋横断の家庭が綴られていく。

僕の中で気球と言うと、どこか牧歌的なイメージがあって、天高い青空と緑広がる草原の上に牛とか羊が点のように見える景色を思い浮かべる。
でも、この本に出てくる気球は、全くの別物。

 

ジェット気流にのって、時速150kmで飛び、成層圏である1万2910メートル、マイナス50度以下になる死の空間まで行くことが出来る。

気球からみる空はこのように書かれている。
上を見ても下を見ても青しかない。(中略)色の中に入ってしまったかのような喪失感、あるいは圧倒的なまでの一体感があった。

余計な仕切りがほとんどない気球ならではの感覚なんだろうか。

この本のテーマというかメッセージは最後の3行にあると思う。
それは神田道夫氏へのメッセージだ。

神田さん、いまどこにいるのですか。仲間たちは半ばあきれながらも、心の底ではみんな神田さんを応援していたんですよ。もう一度、帰ってきてください。ぼくたちのところに。ぼくたちみんながいる、この世界に。

 

200ページに渡る本をおそらく写真やメモ、記憶をもとに紡いでいったんだろう。行方不明となってしまった神田氏への思いとともに。


 

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